成安造形大学イラストレーション領域

成安造形大学イラストレーション領域 領域紹介

社会の様々な場面で用いられる、現代的な美術表現「イラストレーション」。挿絵からマンガまで、さまざまな技法、メディア展開、応用を探求しています。

デッサンって何のためにするの?

イラスト:イシバシヨウスケ
イラスト:イシバシヨウスケ イラストレーター
イラストレーションクラス(現コース)卒業。ゲーム会社勤務後、退職してイラストレーターとして独立。数々のカードゲームや、ユニクロ2012年Tシャツのイラストレーション、書籍カバーなどを手がける。

では、イラストレーションを学ぶとはどういうことなのでしょうか。絵がうまくなるとは、どういうことなのでしょうか?

絵を学ぶということは、語学を学ぶこととよく似ています。英語の歌をカラオケで間違えずに歌えるからといって、必ずしも英語が得意とは限りませんよね?一曲を覚えて歌うことと、英語ができることは全く別のことなのです。

思い通りに描くため

アニメやマンガのキャラクターをうまく描けることは、単にカラオケのレパートリーが多いということであって、外国の人と自由にしゃべれることとは別。語学を学ぶのであれば、単語をたくさん覚え、文法を使いこなし、発音をトレーニングします。絵を描くのも同じです。あらゆるモノの形を覚え、構図を使いこなし、表現を磨く。それができてはじめて、「思い通りに描ける」能力が身につきます。

観察力をきたえよう

では、その能力はどうやって学んでいくのでしょうか?絵を描く能力は、手先の器用さのように考えられがちですが、実は「見る力」、観察力がなによりも重要です。めざすスタイルがリアルであっても、デフォルメであっても、描くためにはまずその対象を「ありのまま」に観察する力が必要なのです。

人は、モノや人間や世界を見る時、ありのままを見ることができません。先入観をもってしまったり、表面的な部分に目を奪われ、全体を見失ったりします。わかった気になって、それ以上見ようとしないものです。

ですから観察力を養うには、見て描くトレーニングが最も効果的です。デッサン、クロッキー、写生といった描写系の実習は、リアルに描くことが目的ではありません。見て描くことを繰り返すことで、それまで気が付かなかったモノの形、状態をとらえる力を養うことができるのです。

あなたの描きたい絵がどんなタッチの絵柄であっても、デッサンやクロッキーによる基礎描写トレーニングをすべきなのは、そういうわけなのです。

人や動物をうまく描くにはどうすればいいの?

イラスト:新岡良平
イラスト:新岡良平 イラストレーター・画家
イラストレーションクラス(現コース)卒業。週刊新潮にて、浅田次郎著「ブラックオアホワイト」の挿絵を手がける。

何を描くのか、何を描きたいのかは人によってさまざまですが、最も必要なのは「人」を描くことでしょう。マンガであれ、さし絵であれ、人間を描くことは、イラストの基本中の基本といえます。

よく知っているから難しい

人間を描くことはとても重要なことです。なぜなら、わたしたちが普段、最もよく見ているのが「人間」だからですね。ひとりひとり、顔も体格も違うことをわたしたちは知っています。また、そのしぐさ・ポーズには意味があります。それを絵で表現することは、意味を伝えるイラストレーションにとって、とても重要なことなのです。

さらに人間や動物は、動くことでその形が変化します。動かない人工物や植物と比べ、描くのが飛躍的に難しくなります。

人間や動物の構造を知ろう

人や動物をうまく描けるようになるには、どうすればいいでしょう?それには人や動物の「構造」を知ることです。

「美術解剖学」は人間や動物の骨格や筋肉といった「構造」を知る学問です。形の理由、動きの仕組みを理解した上で、デッサンやクロッキーに取り組むことで、やがて人のさまざまなポーズを、あらゆる角度で描けるようになります。その能力がイラストはもちろん、マンガやアニメでも必須なことは言うまでもないでしょう。また、ロボットなどのメカデザイン、衣装デザインにおいても、大きな手助けとなります。

大学の描写実習では、この美術解剖学を取り入れています。講義はもちろん、人体表現研究室では骨格標本や、専門書などの資料が充実。また、デッサン・クロッキー実習でも、動きによる筋肉の変化などの解説を受けながら観察、描写を行うので、単純に見て描くだけの実習よりも理解力、応用力が身につくのです。

風景を描く意味って?

イラスト:松本結樹
イラスト:松本結樹 マンガ家・イラストレーター
イラストレーションクラス(現コース)卒業。在学中の4年時に、「Fellows!」(現・ハルタ/エンターブレイン刊)にてマンガ家デビュー。マンガ作品と並行して、広告イラストなどを手がける。

あなたは風景を描くのは好きですか?キライですか?

イラストであれば、背景のない表現も多くありますが、マンガや絵本となるとそうも言ってられません。どんな場所?時間はいつ?季節は?天気は?そういった情報を表現しようとすれば、風景が大きな意味を持ってきます。

語りかける風景

風景は、キャラクターを表現する上でも欠かせません。そのキャラクターが見ている世界、感じている空気を描くことで、キャラクターをより、活き活きと描くことができます。

風景だけのイラストでも、人の気持ちをゆさぶることがあります。子どもの頃見た路地裏の風景。船が空を飛ぶファンタジー世界。時間も空間も超えて、見る人を異世界へと誘います。

風景を描くことは、情報や情感を伝える、最も効率的な方法でもあるのです。なにげない風景が、見ている人の記憶を呼び起こし、感情をゆさぶる。風景を見るとき、人は自分がこの世界で生きていることを実感するのです。

風景を描くために必要なこと

空気感のある風景、存在感のある風景を描きたいと思う人は多いでしょう。しかし、なかなかうまくいかず、苦手意識を持ってしまう人もいますよね。魅力的な風景を描くには、空間に対する感覚をじっくりと磨いていくことが大切です。

まずは、さまざまな遠近法、図法を知ること。時にはカメラやコンピュータグラフィックスを使い、どうすれば空間を描くことができるのかを学びます。ちょっと難しい勉強ですが、あなたの見ている世界をだれかに伝えるために必要なことです。また、この勉強により空間の「見方」がわかってくるのです。デフォルメされたキャラクターを描くのにも、デッサンのトレーニングが役立つのと同様に、デザイン的にデフォルメされた風景を描くのにも、遠近法のトレーニングは重要です。

そして、その場所で描く経験。大学の周辺には、びわ湖と比叡山という恵まれた自然、そして、自然と共存する古い町並みがあります。その季節折々には写生会が開かれ、また地域との交流も盛ん。豊かな自然を、人の住む場所を、自分の目と身体で感じること。そんな体験はあなたをきっと、風景のとりこにすることでしょう。

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