第一回:高畠エナガ「大学にいるうちに漫画を描くノウハウを揃えること」

(C)高畠エナガ/集英社スーパーダッシュ&ゴー!

現在、雑誌「スーパーダッシュ&ゴー」誌に様々なタイプの読み切り作品を連載、この4月に初の単行本『Latin 高畠エナガ短編集1』が出る高畠エナガさん。卒業制作では400ページ近い大作を制作し、この作品が直接のデビューにつながりました。

●大学時代はどんな学生でしたか?

1〜2年次はグラフィックデザイン、3〜4年次はイラストレーションクラスで学んでいました。
サークルは漫画研究会。友達の下宿で遊んだり飲んだり寝泊まりしていたことが楽しい思い出の一つです。


●いつごろからマンガを描こうと思い始めましたか?そのきっかけは?

小学六年生から。友達がノートに漫画を描いていたので、自分もやってみようとしたのがきっかけ。
皆で机を囲いながら漫画を読んでもらったのが何よりも嬉しかったです。黒船のペリーが歴史人物と戦う「ペリーの乱」を連載していました。


●デビュー作と掲載誌をお教えください。

ジャンプSQ 11月号付録「スーパーダッシュ漫画プログラム」。
「Reversi」という天使と悪魔の百合ものの漫画。4月の単行本に収録されてますのでよければチェックしてみてください。


●マンガ誌デビューのきっかけは?

卒業制作で作った漫画を即売会にて頒布、今の編集さんに声をかけてもらったこと。


●マンガ家になってから、なにか気づいたこと、感じていることはありますか?

先生のアドバイスをもっと聞いておけば・・と痛烈に感じることが一時間に一回はあります。
まがりなりにもプロとしてやっているわけですが、昔より今のほうが漫画を描いていて楽しいです。


●今後の抱負などをお聞かせください。

今は読み切りをメインに描いているので、長編を連載したい。もっと読者の心をつかめるような魅力的なストーリーを作りたい。
東京で一人暮らしをしたい。
サボテンを育てたい。
猫を飼いたい。


●マンガ家をめざす後輩たちへアドバイスをお願いします。

競争相手が増えるので極力目指さないようにしてください。・・というのは冗談で、
大学にいるうちに漫画を描くノウハウを揃えることが重要だと思います。
作品を作るたびにきちんと反省をすること。
プロットからネームまで面倒臭がらずに描いて、自分なりの作り方を知っておくこと。
なにより自分の作品の輪郭を理解しておくことが大切です。




●編集部インタビュー

高畠エナガさんの編集担当である、集英社スーパーダッシュ文庫・高橋 博さんにお話をうかがいました。

高畠さんのマンガをはじめてご覧になったとき、どう思われましたか?

キャラクターの目の強さ。感情を躊躇無く出す表情。バイタリティのある動き。外連味があり、力強い立ち姿。力強く迷いのない線。大胆で自由な構図。画面から伝わる作者のエネルギー……。挙げればきりがありません。一言で言えば『その人にしか書けない漫画』であることに目が留まりました。

これから高畠さんに期待することは?

結果を求められるのがプロですが、数字に一喜一憂せず、自分自身の大きな目標を見失わずに書き続けて欲しいです。作品を待ってくれる読者が日本中、世界中にいることを励みに、読者ひとりひとりを大切にして欲しいです。常に新しいチャレンジを続けて頂ければと期待しています。


高畠エナガ・プロフィール

在学中に「デジタル・コミック大賞2008」(宝島ワンダーネット)準大賞を受賞。2011年卒業。同年雑誌「ジャンプSQ.」別冊付録「スーパーダッシュ漫画プログラム」(集英社)にて『Reversi』でデビュー。現在雑誌「スーパーダッシュ&ゴー!」(集英社)にて短編読み切り連載中。4/25に単行本『Latin高畠エナガ短編集1』発売。


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