2006年01月21日

ILLーWebギャラリー 3年 版表現/大原先生課題

一昨日、合評週間が終わりました。
個性豊かな作品、苦労のあとがにじむ作品、ホッとなごむ作品、魅力に満ちた作品、実に多彩な作品群でした。

イラストレーションクラスでは、カリキュラムの流れを、
1年次:描写力の養成と表現の幅を広げるプログラム
2年次:専門的知識や技術の習熟とメディアへの展開プログラム
3年次:表現の多様性を探求し自分の志向性を深めるプログラム
4年次:創造性を追求し自分の表現方法を構築するプログラム
と位置づけ、課題を設定しています。

課題作品は、その制作を通して身につけるべき表現技法や専門知識を高め、
多彩なものの見方や考え方、豊かな発想力を拓いていくというものです。
自主制作作品と違い、いろいろな条件や規制をともないます。

これは、クライアントとイラストレーターとの関係に近いモノがあります。
課題の条件や規制を、「新たな自分を発揮する」ための前向きな挑戦の場として制作に取り組んだ作品は、
とても味わい深い、想いが伝わる作品になります。
見る人を幸せにする作品、驚かせる作品、笑いを誘う作品、優しい気持ちにさせる作品、
いろいろな作品を紹介します。お楽しみください。

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第1回は、大原先生推薦の「版表現」の優秀作品です。


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大原雄寛先生の3年版表現授業の05年度後期の優秀作品です。
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【 課題説明 】
1つの原画(イメージ)をシルクスクリーンとプリンタ出力の2つの技法で表現する。
シルクスクリーンは、モノクローム、1色だけで表現する。
対して、プリンタ出力は、原画をデジタル化(スキャン)したのもを、大型プリンタでB1サイズに出力する。
その際、原画にドローイングを施したり、PhotoshopやIllustratorを使ってデジタルイメージングを施して、ミクストメディアの表現を楽しむ。
シルクスクリーンとB1サイズのプリンタ出力作品の並べた時、版表現の多彩な広がりが見えてくる。
近年、版画の世界でも、元データを版と位置づけたプリンタ出力の作品が増えています。

ここでは、B1作品を紹介します。


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【05年度後期優秀作品】

桐野悠子さんの作品 (大阪府金光八尾高校出身)

作者コメント:
「これが日本の食卓だ」をテーマに表現しました。家族全員が揃って食卓を囲む機会が少なくなった昨今を憂い、その大切さ、ありがたさを日本の国旗「日の丸」に掛けて問いました。ちゃぶ台の丸みには必然性さえ感じます。

14桐野悠子.jpg
Copyright 2006 (C) KIRINO Yuko 禁無断転載

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玉置敬子さんの作品 (和歌山県田辺高校出身)

作者コメント:
たくさんの人を並べたらおもしろいかもしれない、という思い付きで制作しました。ファッション雑誌を見ながらですが服装や色など考えるのがおもしろく、楽しく制作できたうえに、見てくださった人達がどれが好きかと、選ぶ楽しさが生まれる作品となったようで、私としても本当に嬉しいです。

26玉置敬子.jpg

(クリックすると大きく表示されます)
26玉置敬子(大).jpg
Copyright 2006 (C) TAMAKI Keiko 禁無断転載

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辻浦智義くんの作品 (京都府成安高校出身)

作者コメント:
コンセプトは 花 。蝶の育つ過程と花との照らし合わせで 卵が種 幼虫が葉 さなぎがつぼみ 蝶が花 です。

28辻浦智義3.jpg
Copyright 2006 (C) TUJIURA Tomoyoshi 禁無断転載

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速水智世さんの作品 (滋賀県長浜北高校出身)

作者コメント:
今回の版表現は、とにかく自分が好きなものを描きたいと思って作りました。自分が思いつくままに、あふれ出たイメージを流れに乗せて鉛筆でガリガリ描いています。鉛筆にしたのは、ペンで描くと線の勢いが無くなってしまうから。その勢いを生かしたくて、原画をそのまま使っています。背景のテクスチャーにもこだわりました。そんな所を見てほしいです。

36速水智世.jpg
Copyright 2006 (C) HAYAMI Tomoyo 禁無断転載
posted by 永江弘之 at 02:34| Comment(1) | 学生優秀作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする