29日、30日の「仰木・春の棚田写生会」以降も、何人かの学生が描きに来ていました。ゴールデンウィークを通しての参加者は67名(井上先生、田中先生、永江でちょうど70名)、うち一般の方(学外から)が15名でした。
5月初旬の仰木を紹介します。
2002年春、今森光彦先生と井上直久先生のワークショップで撮影会と写生会。「淡海の夢」企画の萌芽です。下の写真はその時に撮したもの。仰木に魅せられました。
5月1日 曇りのち雨。雨のしっとりした風情もいい。恵みの雨です。雲を吐く比叡山の谷あい。水墨画のようです。
馬蹄形の棚田も一番下の田んぼ以外は水で満たされた。耕運機で泥を掘り起こし、水と混ぜ合わせたあと、人の手で田んぼの泥をていねいにならしていく。重労働だ。おじいさんは、半日かけて3面の棚田をならしてしまった。この作業の時に、水がきちんと下の田へ流れ落ちるように微妙な傾斜をつけて泥をならしていくのだと思う。
仰木の棚田は比叡山の裾野に緩やかに広がっているイメージがあるが、林に囲まれた谷あいに棚田が入り込んでいるところも。奥へと上っていくと田んぼは小さくなり、林に行き止まる。棚田の奥座敷。
5月2日 晴れ。散歩をすると、時を忘れてほんわかとしてまう。野の花や蝶、ちいさな甲虫、ときおり枯れ草をカサカサ鳴らす小さめのトカゲ。弱肉強食の世界も。少しだけ気をつけて見ると、たくさんの生き物が見えてくる。
そろそろ早いところは田植えが始まる。苗床で育った苗のかたまりが田んぼに並ぶ。
夕刻、棚田はコントラストを強めて輝く。残照の中、雲が映える。
5月3日は、仰木祭。別名泥田祭り。1200年続く仰木の集落の伝統的なお祭りです。次回、ご紹介します。
井上先生の作品写真は、 バラード日記 http://www.artgallery.co.jp/iblard/ 5月1日 で見ることができます。