2007年02月18日

2006後期 ILL-Webギャラリー 1年 「描画色彩」/岸田 保 先生課題

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岸田 保 先生の1年描画色彩授業の06年度後期の優秀作品です。
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【授業の主旨】
1年生のこの授業では色彩感覚を養うための実践的なトレーニングをします。
机上で色彩理論を学ぶのではなく、実際にアクリル絵具を混ぜ、紙に塗ることでリアルな色彩感覚を養い、作品に応用する方法を学びます。
この授業は下記の4つの課題で構成されています。

「明度調和技法(明度合わせ)」課題
色の3要素(色相・明度・彩度)のうち明度を統一することにより、彩度の輝きを得る 方法を学びます。

「透過混色技法(塗り重ね)」課題
パレットで絵具を混色すると顔料レベルで色が均質化されるため画面に塗ったときに均質な色になりますが、この課題では透明色を画面で塗り重ねることでムラのある混色を作り、均質な混色にはない複雑な色の表現を学びます。

「補色混色技法」課題
色相環のちょうど対極にある色(補色)同士を混色するとニュートラルグレイ(無彩色)になり、対極付近の色同士の混色では彩度が低い(色味が残った)グレイになります。
この課題では補色と補色に近い色同士を混色することによって、様々な美しいグレイを作る方法を学びます。

「自由制作」課題
上記3つの技法を応用して、自由に作品を制作します。
画材はアクリル絵具で用紙サイズはB3以上です。


【06年度優秀作品】 (50音順)
下に掲載するのはいずれも「自由制作」課題で制作されたものです。氏名の後に使われた技法名を記します。
今回も優秀作品が多く選択するのに苦労しました。いずれの作品も色彩の調和が取れており、自身の描きたいものをうまく表現しています。


小川 明矢加 さん 「明度調和技法」-------------------------

06bKISHIDAogawa.jpg
Copyright 2007 (C) OGAWA ayaka 禁無断転載

本人コメント:
「明度の対比で4種類の光と陰を表現しました。
陰の部分では補色同士を混ぜて濁った色を出しています。」



北岡 希望 さん 「補色混色技法」---------------------------

06bKISHIDAkitaoka.jpg
Copyright 2007 (C) KITAOKA nozomi 禁無断転載

本人コメント:
「私は女性を描くのが好きで今回その女性らしさを出すために花と蝶を使い連作で表現しました。
どちらとも技法は補色を用いて描いたのですが、塗り方を油絵風の厚塗りと水彩風の淡いタッチの塗りにして絵の雰囲気を変えました。
使用色は、油絵風に描いた方(右)は、バンブーグリーン、ビビッドレッドオレンジ、チタニウムホワイト、
水彩風に描いた方(左)は、オリエンタルブルー、ビビッドレッドオレンジ、チタニウムホワイト、
を使いました。
今回補色を使って作品を描いたのですが、全体的に色の調子やバランスを整えるのにとても最適でした。メインになる2色が綺麗に混ざりあって深みのある優しい雰囲気の絵を描くことができ、今回の作品のテーマである女性らしさを表現するのにピッタリでした。」



坂本 吉里 さん 「補色混色技法」---------------------------

06bKISHIDAsakamoto.jpg
Copyright 2007 (C) SAKAMOTO kiri 禁無断転載

本人コメント:
「小鹿と鳥がメインで目立たせるのが目的だったので、原色に少し白を混ぜた色で背景のグレイの植物と差がつくように塗ってあります。それだけでは鳥が花の色と似ていたので、さらに縁取って区別させました。
白の量や補色同士を混ぜる比率をちょっと変えるだけで幅広く色が作れるのが楽しかったです。
使用した色…バイオレット、ミドルグリーン、チャペルローズ、バンブーグリーン、ホワイト」



田中 智美 さん 「透過混色技法」---------------------------

06bKISHIDAtanaka.jpg
Copyright 2007 (C) TANAKA tomomi 禁無断転載

本人コメント:
「普段は厚塗りの作品を描くことが多かったのですが今回塗り重ねを挑戦したことにより厚塗りとはまた違った繊細な色彩表現ができました。
衣装や髪は何度も色を重ね深い色が出せました。」



村田 裕子 さん 「透過混色技法」---------------------------

06bKISHIDAmurata.jpg
Copyright 2007 (C) MURATA hiroko 禁無断転載

本人コメント:
「重ね塗りは初めての技法で戸惑いながら塗ったんですが、イラストレーションにひとつの物語が流れてることを意識して描きました。
こだわった点はバイクや建物などの細かい部分です。」



山口 良美 さん 「補色混色技法」---------------------------

06bKISHIDAyamaguchi.jpg
Copyright 2007 (C) YAMAGUCHI yoshimi 禁無断転載

本人コメント:
「初めは無愛想だった鬼女が…〆切ギリギリになった時私に話しかけてくれた。
絵との対話が出来た時、唯一自分を好きになれる。」



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posted by 田中真一郎 at 10:00| Comment(0) | 学生優秀作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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