会場: 成安造形大学ギャラリー アートサイト
成安造形大学 彫刻クラス教授 伊藤憲太郎先生の展覧会です。

伊藤憲太郎先生は、彫刻と人間、空間との調和や対立を長年にわたり探求し、いままでに数多くの実績を積んでこられた現代彫刻家である。
今回の仏像は、作家にとって従来の分野とまったく異にしている。奈良時代から日本に登場した仏像は、それ以降歴史的、思想的にも日本文化の一翼を占め、現代に至るまで継承される。
この仏像彫刻は、作家が日々の教鞭の傍ら数年前から、丹波の山深いアトリエで取り組まれ、これほどみごとに完成されたものである。思わず立ち止まりたくなるほど存在感の雰囲気をもった仏像だ。
仏像には如来・菩薩・明王・天部の種類があるが、悟りの世界によって呼称と形式が区分されている。作品は如来の部に入り、その特性を卓抜した技で表現されている。とくに如来の彫眼の確かな造形美に圧倒される。作家の内に秘めた新たな境地の発露を象徴しているといってもよい。
仏像の彫刻には、形状と作家の熱い思いがそのまま表現されているといわれているが、まさにこの作品は、格好の見本ともいえる。より多くの方々のご高覧を期待している。
木村至宏(成安造形大学 学長)