「たまにはエッセイっぽいのもいいのでは」 まつむら先生のひと言を真に受けて、書いてみよう。
仰木の棚田桜が満開。天神川両岸のゆるやかな丘陵地に広がる仰木の棚田。そのランドマーク的な存在が棚田桜だ。少し高台に1本だけそびえ枝を広げる立派な古木がぽってりと豊かに、白に近いうす紅色の花を咲かせている様は、実に見事だ。
昨年の4月15日は、ほとんど葉桜だった。わずかに残る花を撮ったのが左の写真。
今年は、9日に坂本の”太閤桜”が満開。坂本にはたくさんの桜が咲き、まさに春爛漫の景色になる。その中でも里坊「薬樹院」の秀吉ゆかりといわれている”太閤桜”は、ひときわ目を惹くみごとな枝垂れ桜の古木だ。右下の写真。
でも、同じ9日にウキウキと棚田へ行ってみたら、まだ二分か三分咲き。それが、11日の夜あたりに一気に満開になったらしい。今は本当にあふれんばかりに咲き誇っている。春・張る・晴れ・ハレ・・・冬の間にため込んだ息吹を一気に放出したようなあでやかさだ。こんなに短い時間で一気に咲くのかと驚いた。
花をつけた桜の枝越しに、琵琶湖が遠望される。
棚田は、耕運機で耕されて水をはる準備が始まっている。水をはり、畔(あぜ)を作って、法面(のりめん=傾斜地、田んぼの土手のこと)の草をきれいに刈り・・・農家の方は多忙な時期になる。
また改めて告知するが、今年も「淡海の夢2005」企画の「仰木・春の棚田写生会」を4月29日(金)30日(土)に予定している。ぜひ一緒に写生を楽しみましょう!
棚田桜の写真は、大学の授業の合間(3時間目の空き)に行って撮ったモノ。
実は、夜も行ってみた。棚田の夜は街灯もなく真っ暗。遠くに堅田の町の灯りが小さく見える。桜が月に照らされて、ふわりと薄白く浮かび上がっていると幻想的なのだが、天空の月は三日月で、桜の木のシルエットが浮かび上がっていた。目が慣れてくると地形も見えてくる。何よりも空がきれい。丘陵地の森のシルエットに天球が明るく浮かぶ。月に照らされた雲や星の光の点がクリアで美しい。棚田に水がはられると、田毎の月とまではいかないが星の光が水に映る。
大学の帰路にふと思いついて行ったので三脚もなく、地面にぺたんと座って膝を三脚代わりにして撮ってみた。2枚目はストロボだけど。小さなオレンジの点は三日月。
最後におまけ。こんなのも好きです。太い棚田桜の樹肌に。こんな所にも咲くんだね。