2005年04月15日

サクラ サク 【 4月14日/永江弘之 】

「たまにはエッセイっぽいのもいいのでは」 まつむら先生のひと言を真に受けて、書いてみよう。
仰木の棚田桜が満開。天神川両岸のゆるやかな丘陵地に広がる仰木の棚田。そのランドマーク的な存在が棚田桜だ。少し高台に1本だけそびえ枝を広げる立派な古木がぽってりと豊かに、白に近いうす紅色の花を咲かせている様は、実に見事だ。

04年の葉桜.jpg昨年の4月15日は、ほとんど葉桜だった。わずかに残る花を撮ったのが左の写真。

今年は、9日に坂本の”太閤桜”が満開。坂本にはたくさんの桜が咲き、まさに春爛漫の景色になる。その中でも里坊「薬樹院」の秀吉ゆかりといわれている”太閤桜”は、ひときわ目を惹くみごとな枝垂れ桜の古木だ。右下の写真。

太閤桜1.jpg
でも、同じ9日にウキウキと棚田へ行ってみたら、まだ二分か三分咲き。それが、11日の夜あたりに一気に満開になったらしい。今は本当にあふれんばかりに咲き誇っている。春・張る・晴れ・ハレ・・・冬の間にため込んだ息吹を一気に放出したようなあでやかさだ。こんなに短い時間で一気に咲くのかと驚いた。
棚田桜満開2.jpg
棚田桜満開1.jpg花をつけた桜の枝越しに、琵琶湖が遠望される。

棚田は、耕運機で耕されて水をはる準備が始まっている。水をはり、畔(あぜ)を作って、法面(のりめん=傾斜地、田んぼの土手のこと)の草をきれいに刈り・・・農家の方は多忙な時期になる。
また改めて告知するが、今年も「淡海の夢2005」企画の「仰木・春の棚田写生会」を4月29日(金)30日(土)に予定している。ぜひ一緒に写生を楽しみましょう!

棚田桜の写真は、大学の授業の合間(3時間目の空き)に行って撮ったモノ。
実は、夜も行ってみた。棚田の夜は街灯もなく真っ暗。遠くに堅田の町の灯りが小さく見える。桜が月に照らされて、ふわりと薄白く浮かび上がっていると幻想的なのだが、天空の月は三日月で、桜の木のシルエットが浮かび上がっていた。目が慣れてくると地形も見えてくる。何よりも空がきれい。丘陵地の森のシルエットに天球が明るく浮かぶ。月に照らされた雲や星の光の点がクリアで美しい。棚田に水がはられると、田毎の月とまではいかないが星の光が水に映る。
大学の帰路にふと思いついて行ったので三脚もなく、地面にぺたんと座って膝を三脚代わりにして撮ってみた。2枚目はストロボだけど。小さなオレンジの点は三日月。

棚田桜の夜1.jpg  棚田桜満開2.jpg

最後におまけ。こんなのも好きです。太い棚田桜の樹肌に。こんな所にも咲くんだね。

小さなつぼみ.jpg
posted by 永江弘之 at 10:59| Comment(6) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ILLメールをいただいて飛んできました。
桜の写真がとてもきれいで感動しました。
棚田の写真が気に入りました。
私の家の庭にも桜の木が4,5本あって、今ちょうど満開です。
そのうち一本はしだれ桜で、この時期はお花見のお客さんが耐えません…。
アメリカにも日本が差し上げた桜の木があるそうです。とある日のニュースで、「桜は日米の友好の証だ」と言っていました。
おそらく日本で一番美しく、一番愛されている花が全く文化のことなる二つの国をつないでいると思うと、感動的ですね。
またこんなエッセイを期待していますv
Posted by 嶌頭真依(イラスト群1年) at 2005年04月15日 19:04
これはエッセイというより日記では。
僕は夜桜の方が好きですね。
ところで一回生の方でもこんなに上手に文章を書くんですね。
びっくりしました。僕も甘いですね先生。
Posted by 能崎義郎 at 2005年04月15日 21:26
棚田の桜を見たいと思いながらも、授業終わったら真っ暗.....なので、写真がみれてよかったです♪

能崎くん、辞書引いてみようねー(笑)>エッセイor日記
Posted by まつむらまきお at 2005年04月15日 22:30
>>まつむら先生

お、おかしいこと言ったかな…?
エッセイ→【小論】…規模の小さい論文・論説。
一応引いてみました(笑)。
僕の思ってたのは自伝的な感じだったんですが。
Posted by 能崎義郎 at 2005年04月20日 21:31
エッセイ→随筆、試論、つまり形式張らず、自由な形式で書く文章のことです。自由な形式なわけですから、横からとやかくその形式を言うべきではない、ということですよ♪
Posted by まつむらまきお at 2005年04月20日 22:10
エッセイは「随筆」と「小論」のどちらの意味もある。ここでは、「形式にとらわれず,個人的観点から物事を論じた散文。また,意の趣くままに感想・見聞などをまとめた文章。」ということで、「随筆」ですね。こっちの意味で使うことが多いのではないかな。気ままに、楽しく、感じるままに、写真を撮り、絵を描き、言葉にしているわけ。
Posted by 永江弘之 at 2005年04月21日 00:57
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