毎年5月3日は小椋神社の例祭「仰木祭り」です。別名「泥田祭り」の名は、毎年田植え前に降る雨の中で、泥まみれになって祭礼を行うことが多かったことに由来します。
美しい棚田が広がる仰木の里の豊作を祈る雨の神様の祭りなのです。
村の長老方の装束は、皆、裃(かみしも)に烏帽子姿。若者の装束は白。
伝統ある古式祭りの主な行事は、14時を過ぎた頃から始まります。各地区から小椋神社へと、行列をつくって向かいます。
氏子の上仰木、辻ヶ下、平尾、下仰木の四地区と、谷を隔てて隣接する雄琴地区の千野も参加。
それぞれの地区が担ぐ5社の神輿(みこし)の渡御(とぎょ)は壮観。小椋神社を16時過ぎに出発する。
神域から俗世へ。「流し餅」、年番総代の引き継ぎの儀式「芝座敷(しばざしき)」と「千野座敷」などの儀式が行われる。
また、地元に住んだ源満仲(みつなか)に由来する「馬駆け」・駒止め行事などもみもの。
流鏑馬(やぶさめ)の神事が終わるともう夕暮れ時、太鼓の合図で松明(たいまつ)がともされ、五社の神輿が松明の灯に導かれて神社に還御(かんぎょ)し、古式祭が終了する。
棚田の水面に映る、松明の炎が美しい。
******************************************
祭りのながれ (蔭山歩さん作成)
******************************************
am 9:00 @小椋神社 例祭・神事
am 10:00 @小椋神社 仰木太鼓奉納
昼食
(仰木の方々は自宅で宴会をしながら祭りを待つ)
pm 2:00 各字の自治会館(この日は「集来」と名が変わる)
に担ぎ手が集まってくる
pm 3:00 辻ヶ下自治会館 「千野衆」来訪
pm 3:30 A集(つどう) 各衆集まってくる→ケンカ
(七度半の使いの儀式)
※注意!道が儀式の場になります。
道を横切ってはいけない!静寂に!
↓
@小椋神社 入場後儀式(御霊接し・矢射り)
pm 4:00 御供行列(お稚児さんなど)・神輿 渡御
↓(馬場〜小学校前の道「晴れ立つ場」)
B御旅所 流し餅の儀式(餅まき)
↓
C御供所 祝詞・神楽
↓(神輿はしばらくここに鎮座)
D芝座敷・千野座敷の儀式 ※珍しい儀式
pm 6:00 E馬場〜小学校前 馬駆け
※郵便局前がベストスポット!
↓馬駆けが終わると、一転火祭りに!
pm 7:00 神輿環御 +松明
※神輿を先回りして、棚田の中から見るのが
ポイント!小椋神社には神様のいない間神社
を守っていた11人衆が提灯をもって出迎える。
これ必見!
↓
@小椋神社 御霊抜き・ 神輿を蔵へ納める
終了
仰木祭MAP(クリックすると大きく表示されます)

************************************************************************************
参考に、
昨年のブログの記事はこちら>>
また、昨年のブログ記事の中にもありますが、仰木祭りのフォトアルバム(撮影:永江弘之)(1)が、こちら>>
(2)が、こちら>>
で、これは、2004年の仰木祭り

以下に、蔭山歩さんがまとめてくださった詳細情報を掲載します。
その前に、
蔭山歩(かげやま あゆみ)さんのプロフィール
************************************************************************************
成安造形大学住環境デザインクラス卒業。「里山・仰木地蔵プロジェクト」(2000〜)のメンバー。一昨年まで、仰木支所に勤めておられました。
現在、成安造形大学デザイン科講師「住環境フィールドワーク演習」担当。
龍谷大学「里山学・地域共生学オープンリサーチセンター」リサーチアシスタント。
「今森光彦の里山体験塾」専属スタッフとして勤務。
集落の成り立ちに興味を持ち滋賀県を中心とした地域をフィールドワークをしながら地域の人と共につくるイラスト絵地図作成や、プロジェクト企画など制作・グループ活動を行う。 地域に新しい風を吹き入れる表現者になるべく、日々邁進中。
************************************************************************************
では、仰木祭りの詳細です。
五月三日、仰木町の小椋神社の例祭が行われる。上仰木・辻ヶ下・平尾・下仰木の仰木四地区と千野地区の氏子によって営まれる。
同社は、かつて「五社大権現」とも呼ばれていたように、本社(田所)のほかに大宮・若宮・新宮・今宮の四社が摂社として勧請(カンジョウ)されている。神輿はその五社各々にあり、上仰木は本社(田所)、辻ヶ下は若宮、平尾は今宮、下仰木は大宮、千野は新宮の神輿の駕輿丁(カクガイチョウ)(神輿かき)を、それぞれ奉仕する。また、年番総代・馬番(年番総代をつとめる前年に担当)は、仰木四地区が毎年交代してつとめる。
<泥田祭り>
祭礼の日はかつて陰暦四月三日であった。この日は、祭神の闇*神が雨の神であることから、よく雨が降ったといい、そこから「泥田祭り」の異名もあった。
<儀式の中にみる>
儀式の中にある「駒止めの行事」は仰木に住んでいた多田満仲が故郷の摂津多田に帰るのを仰木の村人が惜しんで止めようとした故事によるという。また「芝座敷」はその別れの宴に由来すると伝えられている。
<儀式の流れ>
午前九時 神社で祭礼の神事を行う。
↓
午後三時 千野衆が辻ヶ下の地蔵堂横の会所に到着。
同時 馬番の地区の稚児・神馬・馬乗りが神社に入る。
同時 仰木四区の駕輿丁ら祭礼関係者は、上仰木と辻ヶ下の境の三叉路
に集まる。そして、烏帽子・素襖姿の上仰木、辻ヶ下の「素襖株」
が神社へ向う道筋の両側に整列する。(「集(ツドウ)」という)
↓
準備整い次第、辻ヶ下の使丁の「七度半の使」を受けて千野衆が
素襖株の迎える中を通って神社に入る。
素襖株・各村の祭礼関係者がこれに続く。
↓
午後四時 稚児五人と警固十四人が年番総代を先頭に御供行列を組み行う。
神社から御供所(ゴクショ)まで。
:御供箱を警固二人が肩の高さにかついだ下に稚児が入り、稚児
が御供を頭上に捧げもつかたちで進む。
↓
<神輿渡御>
・本殿・大宮で宮司の御霊移しの祝詞(ノリト)をあげる。
・大宮の社殿に供えてあった鳳凰を大宮の神輿にのせる。
・祭典委員長が「公文所」に詰める親村(小椋神社の宮座)
の執行(長老)に報告。
・馬乗りが五社の神輿の周囲を三度回り、矢を拝殿に向けて
射るのを合図に渡御が始まる。
↓
午後五時前 出御
大宮・若宮・新宮・今宮・本社(田所)の順。
神社から農協横の下唐崎の御旅所(オタビショ)へ。
↓
<流し餅> 御旅所での行事。広蓋(ヒロブタ)に乗せ。頭上にかかげ
持ってきた「撥餅(バイモチ)」を神輿の屋根に投げると
いう、珍しい献餅法。
↓
仰木支所横の馬場の御供所へ渡御。
御供所での神事。警固が金棒を鳴らして守るなかで、御供が
供えられ、宮司と祭員二人が祝詞をあげ、神子(ミコ)が神楽
を舞う。
御供:鏡餅・御神酒・丸饗(もち米を蒸したもの)・チシャ・
蕗(フキ)・干し柿・海苔・はす・鯛・粽(チマキ)など。
↓
<芝座敷> 御供所の前の広場で行われる仰木四地区の年番総代の引継
ぎ儀式。幕ををめぐらした中に筵(ムシロ)を敷き、上座
に宮司・神子、下座に年番総代、左右に辻ヶ下・平尾・下
仰木・千野・上仰木の代表が烏帽子・素襖姿で着座し、盃
を交わし、年番総代が挨拶して終了。
↓
<千野座敷>幕を少し南側に張り直し行う。上座に千野の一和尚(十人
衆の年長者)、下座に翌年の年番総代(次年番)、両側に
千野衆が烏帽子・素襖姿で着座し、盃を交わす。千野の一
和尚より次年番に盃が送られ、次年番がこれを受けて挨拶
し、終了。
↓
午後六時 稚児と警固が「馬迎い(三度半)」を行う。
同時 馬場(御供所前の県道)の三ヵ所に、竹につるした的が立
てられる。
<馬駆け> 馬駆けを三度行う。馬乗りは、馬を走らせながら三つの的
に矢を投げる。的は仕掛けで落とされる。この的を駕輿丁
らは奪い合うように取り合う。
<駒止め> 馬乗りが馬駆けの起点(神輿の前)に向う時、駕輿丁たち
が肩を組み、飛びはねて馬の前に立ちはだかり、馬の歩み
を止める行事を行う。
↓
馬駆けが終わると太鼓の合図で松明がともされる。
↓
午後七時 五社の神輿はそれぞれ松明に導かれて夕闇の中を還御する。
↓
神社では宮司が神輿を迎えて御霊ぬきをする。
↓
神輿すべてが倉へ納められる。
↓
祭員委員長が公文所に待つ親村の執行に祭礼の終了を報告
し、古式祭はすべて終了。
『大津の祭』ふるさと大津歴史文庫4(大津市発行/1992)
から抜粋し手を加えました
************************************************************************************
仰木の方々にとって、大切な伝統あるお祭りです。マナーを守って楽しく参加してください。
仰木祭は、仰木を知るにはこの祭から。といわれるほど仰木がとことん体感できる素晴らしい祭りです。
この貴重な祭りにたくさんの学生が足を運んで、特別な時間を過ごしてもらえたらといつも感じます。
ちなみに、馬蹄形の棚田の一番下のたんぼには、今年は酒米である山田錦を植えるそうですよ。仰木の地酒を作っている(酒蔵は別です)北村酒店からの情報です。