2005年06月14日

まきおんセンセの「エエもんみっけ」<1>

ども、まつむらですー。
永江先生から、なんかやれー(笑)と言われて、まぁ気楽によめてるコラムでも、ということで、不定期ですがまつむらがオススメする映画やらマンガやらを無差別級に紹介していこうと思います。ビデオはレンタルショップにあるものを中心に選んでいきますので、興味を持ったら週末にでも探してみてください。
さて、記念すべき?第一回は、イラストレーター、絵描きをめざす学生のみなさんにぜひ見てもらいたいアニメーション作品「マインド・ゲーム」。2004年劇場公開された日本の映画です。

mindgame.jpg舞台は大阪。初恋の相手「みょん」と偶然再会したまんが家志望の20歳の青年「西」は、みょんの家にやってきたヤクザに殺されてしまう。「神様」の指示に逆らって無理矢理生き返った西は、みょんとその姉「ヤン」とともにクルマで逃走、ヤクザに追われて南港の港大橋へ。追いつめられた瞬間、海から巨大なクジラが現れ、西、みょん、ヤンの三人はクジラに呑み込まれてしまう....


とあらすじを書くとなんだか安っぽいヤクザ映画のように思えて女性は引いてしまうかもしれないですが(^_^;)基本的にはコメディ(と一言で言える作品ではないんですが)なので、まぁだまされたと思って見てみてください。ゲラゲラ笑いながら感動のラストへまるでジェットコースターに乗っているかのようなスピード感のある、物語的にも絵的にも、いっぱいエネルギーをもらえる映画です。
この映画の魅力を一言でいえば「絵ぢから」のすごさ。いや、それでも足りないな。「クソ絵ぢから」(笑)。この映画の監督、湯浅政明さんはこれが初監督作品ですが、クレヨンしんちゃんの映画シリーズ(これについてはまた改めて)の作画監督として注目された人です。「動いてこそナンボ!」といわんばかりの、にデフォルメされた(しかも卓抜したデッサン力に裏打ちされた)キャラと動きが最大の魅力。絵(アニメーション)っていうのは、ここまで自由になれるんだ、という感動。絵の持つ力を信じた人だけが到達できる作品世界がそこにあります。
冒頭のヤクザとの抗争もすごいのですが、なんといっても映画ラスト15分の「大疾走」。メインキャラクター4人が走る、ただ走る、ひたすら走る、どこまでも走る!人が描く絵というのは、ここまでものすごいチカラを持っているのか!と圧倒されます。
また、極度に遠近感を強調した構図にも注目。映像の構図と静止画(イラスト)の構図は文法が異なるのですが、「ここまでオモロイ絵」がつくれる、ということはどんな絵を指向していても参考になるはず。

随所にかいま見られるディズニー映画へのオマージュ、吉本の面々によるネイティブな関西弁(笑)、音楽とアニメーションの融合、「胎内回帰」「再生」「自分の世界」といったテーマなど、見れば見るほど楽しめます。

予告編を公式サイトで見ることができます
http://www.mindgame.jp/trailer/index.html

(まつむらまきお)
posted by まつむらまきお at 05:21| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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